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■ J.S.バッハ 平均律クラヴィーア曲集第1巻全曲

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J.S.バッハ 平均律クラヴィーア曲集第1巻(全曲)BWV846~869(2枚組) バッハが描く森羅万象。髙橋望による渾身の演奏。西洋音楽の礎といえる24のプレリュードとフーガ。 ピアノ:髙橋 望(ベーゼンドルファー) 解説:髙橋 望 録音データ:2017年6月&11月 相模湖交流センター レーベル:ゆっくり小学校 YSCL001 発売元:パウ ●新譜月評~レコード芸術2018年7月号 特選盤 濱田滋郎氏 髙橋望と言えば、あるいはご記憶の方がたもあろう。例年1月、決まって《ゴルトベルク変奏曲》の演奏会を開くピアニストだ。それらのうち2015年度のそれはライヴ録音でリリースされ、その演奏ぶりの高度な洗練美に、月評子はかなり驚かされたものである。その彼だから、ここに《平均律クラヴィーア曲集》の第1巻全曲の録音を発表しようと、当然の成り行きと考えてよいのかもしれない。演奏ぶりは、《ゴルトベルク》の場合とほぼ似ており、全体に全く無理や誇張のない、整った美しさを貫くスタイルである。テンポの取りかたも、速すぎると思わせる曲もなければ逆に遅すぎるという曲もなく、もっぱら中庸を歩んでいる。かと言って、なんの変哲もなく凡庸、というのとは違う。第1巻の特徴と言える、感興に富んで人好きのするテーマ、モティーフを髙橋望はつねに巧く生かし、それぞれにふさわしい魅力のもとに聴かせるすべを心得ている。言い換えれば、バッハが各前奏曲、各フーガに込めた哀歓の情あるいは詩趣と呼んでいいものを、彼は巧みに抽き出して聴かせる。恣意的と取れるような素振りはひとつもなく、むしろつつましい弾きぶりのうちそう感じさせるのは、ペーター・レーゼル門下だという彼の、身についた音楽性の成せるわざなのであろう。今後のレコーディングでもバッハに力を注ぐのか、あるいは他のレパートリーに向かうのかは分からないが、十分、注目していたいピアニストだと思わせる。 那須田務氏 ドレスデン国立音楽大学でレーゼルに学んだ髙橋望は、師譲りのドイツ風のバッハを弾く。3年前にリリースされた《ゴルトベルク》はバッハの作曲様式を踏まえた解釈と涼やかなタッチ、洗練された音楽性が発揮された好演だったが、今回の《平均律》第1巻はどうか。前回はライヴ録音だったが、こちらはホールのセッション録音。ハ長調の前奏曲はベーゼンドルファー特有の低音が印象的。フーガは6音音階による魅力的な主題による4声だが、各声部のフレーズがきれいに繋がる。ハ短調の前奏曲では16分音符の主題の激しいアフェクト(情念)は強調されない。フーガも固めのアーティキュレーションだがさほど極端ではない。テンポ設定は現代のピアノのいくぶん厚みのある暗い響きや楽曲の性格に適ったもので音楽の流れも自然。ピアノで弾くと嬰ハ短調の前奏曲や変ホ短調の前奏曲などはロマンティックになり過ぎるがそうならない(特に後者はフーガを含めて聴きどころ)。知と情のバランスがいいのだ。同じく十字架の主題を持つフーガは次第に声部を増やして最後に5声に到達するが、オルガンのように荘重に響く。後半の曲にも言えるが、前作の《ゴルトベルク》同様、今回の《平均律》にも際立ったインパクトや新味があるわけでなく、解釈はどの曲も標準的といっていい。喩えれば普段着の親しさや安心感、普遍性があり、それは一重に弾きての作品への深い愛と理解の賜物と言えるものだ。

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